不貞行為とは
民法770条1項1号は、不貞行為を離婚原因として挙げています。1号、2号は具体的有責主義離婚原因といわれています。
1号から4号の事由がある場合であっても、「一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるときは、離婚の請求を棄却することができる。」と同条2項が規定してり、離婚原因は相対化されています。
不貞行為とは、配偶者のある者が自由な意思に基づいて、配偶者以外の者と性的関係を結ぶことをいいます
(最判昭和48年11月15日民集27巻10号1323頁)。そのため、性的関係があっても、婚姻前のことであれば、不貞行為には該当しません。また、強姦されたような場合は、自由意思に基づかないため、不貞
行為にはあたりません。
不貞行為は、偶発的なものか、継続的なものか問いません。1回の性的関係であっても、不貞行為に当たり
ます。
風俗の不貞行為該当性
金銭に基づく女性との性的関係や金銭を得るための売春行為も不貞行為に該当します(最判昭和38年6月4日家月15巻9号179頁)。
同性愛の不貞行為該当性
不貞は異性と性的関係を結ぶ場合を指しますので、同性愛は不貞とはなりません。しかし、5号で考慮することになります(名古屋地判昭和47年2月29日判時670号77頁)。
しかし、今日の社会情勢に鑑みると、この考え方も修正されるかもしれません。