質問
私(女性)は結婚していますが、夫に内緒の借金があります。もし、夫にばれたら離婚になるかもしれません。夫にばれずに債務を整理することはできますか？
回答
夫にばれない方法としては、任意整理が考えられます。しかし、現状任意整理による債務減額は難しく債務を綺麗にして再スタートするのであれば、破産を行うのがスタンダードです。例えば、任意整理だと、債権者と交渉して１カ月３万円で返済していくというように各債権者と合意をすることになります。しかし、相談者の方に収入があるとしても、毎月返済が必要なわけですから、夫に疑われてばれるということがあるかもしれません。
そのため、再スタートをはかるのであれば、破産申し立てをしたほうが良いでしょう。破産が夫にばれるのか？
まず、夫婦の財産は別であるというところから、裁判所は相談者の方が破産申し立てをしたからといって夫の財産を調べることはありません。しかし、裁判所に提出が必要な資料として夫の給与明細、源泉徴収票があります。ばれずに破産をするのであればこの資料をばれずに用意できることが必要です。
そのうえで、絶対にばれないかと言われるとやっていないとわからないというのが答えです。同時廃止であれば、夫の給与明細、源泉徴収票を提出すればそのまま審理が進むかもしれません。しかし、管財事件になった場合には、夫を含めて面談が必要になる場合、夫の預貯金通帳の提出が求められる場合もあります。
そのため、夫にばれずに、という条件を弁護士が保証することはできません。相談段階では、裁判所と破産管財人次第としか回答ができないことになります。また、夫にばれないという制約は弁護士にとって配慮すべきことが増えるのでできるだけ受任したくない、というのが本音です。事務所名を入れて、自宅に郵送ができないですし。
結論としては、受けてくれる事務所もありますが、絶対に夫にばれないことを保証できるものではない。ということになります。
私としては、夫婦の今後の設計もあると思いますので、勇気をもって打ち明け、夫婦で相談したほうが良いと思います。
なお、借金が離婚原因になるかですが、夫婦生活に重大な支障を与えるほどの浪費であれば離婚原因になり得ますが、生活のための借金や結婚前の借金であれば借金単体で離婚原因にはならないでしょう。
