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素因減額とは
交通事故の損害賠償金は、「素因減額」によって減らされることがあります。
素因減額とは、被害者が有していた持病や既往症などの身体的要因、ケガの症状に人一倍敏感であったといった心因的要因が損害の発生や拡大に寄与している場合に、被害者の素因を考慮して損害賠償額を減額するというものです。例えば、事故前にヘルニアを患っていたような場合がこれにあたります。
これは、生じた損害を全て加害者に負担させることは適切ではないという判断からきています。
心因的要因の例としては、被害者の性格(人一倍痛みに敏感であるがために、治療期間が長くなった)、自発的意識の欠如(被害者の治療に対する意欲が低いために、治療に時間がかかった)、賠償神経症(より多くの賠償金を得たいという気持ちから、実際よりもケガの症状を重く感じている)というものが挙げられます。
事故や怪我の程度から見て、あまりに長期間の治療を行っている場合等、争点化されることがあります。
このような事案では、交渉可決が難しく、訴訟解決になることが多いでしょう。
また、素因減額の計算では、先に素因減額を行い、次に過失相殺を行います。
すごい簡単な例で説明すると、治療費30万円、慰謝料40万円、素因減額10%、過失割合20%とします。
(損害額)70万円-7万円(素因減額10%)=63万円
ここから、過失相殺を行い、63万円×20%=12万6000円が減額されます。50万4000円となります。
そして、治療費を損益相殺し、50万4000円-30万円=20万4000円は結果的に受領する賠償額になります。