Q 保険会社から提案が過失相殺された金額から治療費が引かれていました。これは正しいですか?

この記事は約2分で読めます。

過去10年以上の裁判例の分析を基に、最適な賠償額の査定をいたします。

>>無料査定サービスはこちらから

質問

保険会社から提案を受けました。私の過失は、20%で争うつもりはないのですが、過失相殺がされた金額から20%が引かれていました。これは正しいのでしょうか?

回答

結論:正しいです。

交通事故の賠償額の算定においては、【STEP1】総損害額を算定→【STEP2】過失相殺→【STEP3】損益相殺 という手順で行います。

【STEP1】総損害額を算定

治療費、交通費、慰謝料、逸失利益等、全ての損害額を合算したものを算出します。わかりやすく治療費19万円、交通費1万円、慰謝料40万円としましょう。

この場合、総損害額は60万円になります。

【STEP2】過失相殺

過失割合は20%ですので、60万円×20%=12万円を控除します。

すると、48万円になります。

【STEP3】損益相殺

損益相殺とは、事故にあったことによって損害を被るとともに利益をも受けた場合、損害賠償額からその利益相当額を差し引くことをいいます。利益を受けるとは、治療費の既払いや労災給付、自賠責からの給付を意味します。

そのため、相手方保険会社が支払った治療費は、相談者の方が受けた利益ですので、今回は19万円を差引くことになります。

したがって、受領できる賠償額は48万円−19万円で29万円になります。

これは、裁判所でも同じ判断がなされるため、争うことはできません。ですので、相談者の方の質問では、保険会社の対応は正しいということになります。

ただし、人身傷害保険に加入している場合は、過失部分も獲得できる可能性がありますので、こちらのページをご覧ください。

Q 人身傷害保険と過失相殺の関係