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質問
交通事故に遭いました。私の過失は０％です。整形外科に月に２回（合計１２回）、接骨院に週に２回（合計４８回）通院しました。保険会社から５３万円の提案書がきました。ちなみに弁護士費用特約に加入していませんが、依頼した方が良いですか？
回答
自賠責の最低基準
まず、自賠責の最低基準額を確認しましょう（加害者の保険会社はあなたに賠償金を支払った後、自賠責から回収していますので、その範囲であれば全く損をしていないことになります）。
自賠責の基準では、➀治療開始から治療を終えた日までの全治療期間、➁実際に通院した日数の2倍の少ない方を対象日数とします。
➀前治療期間は６か月なので１８０日、➁通院日は６０日なので２倍にした１２０日となります。
ですので、少ない方である➁が採用され、１２０日×日額４３００円＝５１万６０００円となります。
交通費が数千円含まれていることから、自賠責より３～４万円程度多い金額になります（実質はこの分が加害者の保険会社が負担している金額ということです）。
とすると、今回の保険会社の提案は自賠責ぎりぎりの提案ということになります。
どうするべき？
弁護士費用特約に加入している場合は間違いなく弁護士に依頼すべきです。理由は下記のページに書いてます
Q 通院期間６か月です。保険会社から提示がありました。示談しても良いですか？（過失０）
弁護士費用特約に加入していない場合は、弁護士費用を払っても得をするかによって変わります。
交渉の結果、慰謝料を裁判基準（弁護士基準）で２５万円増額したとします。
通常通りの弁護士費用だと、着手金１１万円、報酬金２５万円×１６％＝４万円、合計１５万円。税込みで１６万５０００円になります。
２５万円－１６万５０００円で８万５０００円増額となりますので、弁護士に依頼したほうが得することになります。
つまり、今回は依頼したほうが良いことになります。
しかし、上り幅が小さい場合等弁護士費用を下回る場合には、通常どおりの弁護士費用を設定してしまうと本来もらえる賠償金から弁護士費用を支払うことになり、赤字になります。
ですので、 弁護士費用が当初提案額を食い込む場合は当初提案額までしかもらわない という事務所であれば依頼したほうが良いでしょう。
弁護士費用の設定は弁護士事務所次第ですので、個々の弁護士に聞くしかありません。
私も弁護士費用特約のない案件を何度もやっていますが、➀着手金はもらわない、最後清算（最初にもらって提案額を下回った時の清算が面倒になる）、➁弁護士費用が当初提案額を食い込む場合は当初提案額までしかもらわない、という契約でやってますね。
そもそも最初に得がないケースは計算したうえで、相談者に説明し受任しても得がないことを伝えるので、依頼者も得するケースしか依頼を受けませんが。
このように、弁護士費用特約がないケースでも、依頼したほうが得するケースは全然あります。ですので、私としては、とりあえず弁護士に相談する、ことを勧めます。
弁護士費用特約
弁護士費用特約というのは、あなたが加入している保険会社が無料で弁護士費用を負担してくれるという制度です。無料で弁護士に依頼できるので、交渉で上げた賠償額は全て依頼者が獲得することになります。
交渉だけであれば、早ければ１か月以内、遅くとも３か月程度で示談がまとまります。
せっかく弁護士費用特約に加入しているのであれば、使わないともったいないです。
弁護士費用特約を利用できるかは Q弁護士費用特約を利用できる場合 を参照ください。
なお、一度示談してしまうと、もう交渉はできません。もちろん裁判もできません。示談をする前に必ず弁護士に相談しましょう。
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